ユーラシア大陸の西の外れで発明された「動力機関」が、「現在の世界」を作り出す発端であると考えるなら、「中世ヨーロッパの世界」はその前段階ということになる。「夜明け前がいちばん暗い」という言葉通り、「中世ヨーロッパ」はいかがわしさに満ち溢れたダークな世界。十字軍の遠征、ペストの大流行、そして魔女裁判・・・。
村上陽一郎
「ペスト大流行-ヨーロッパ中世の崩壊-」森島恒雄著
「魔女狩り」いずれも岩波新書(
岩波書店)刊
みみ嬢から
「貞操帯ってなんですか?」と質問を受けて、高校時代に読んだ上記2冊の新書のことを思い出した。なんの気なしに読み始めたのだが、すぐに俺が思い描いていた「メルヘンチックなヨーロッパ」は幻想であることに気付いた。非科学的かつ非論理的、その上スカトロジカル(糞尿的)な変態のダークな異世界。美しい女は「美しい」という理由だけで魔女に仕立て上げられ、財産を奪われた上にSMチックな責め苦を受ける。下水道のない街には人糞・人尿がいたる所に溢れ、伝染病の温床となる・・・
近代にヨーロッパで生まれた「科学」そして「論理性」という価値観は、100余年で世界のグローバルスタンダードとなった。そこから外れている国は粗野で野蛮な発展途上国と言われ、欧米列強の庇護(という名の侵略下)に置かれてきた。しかし、お前らだってちょっと前まではこんなことやってたんだろ!って話だ。
さて、貞操帯の話である。十字軍の騎士たちが妻の下半身に装着させた「鉄の帯」が始まりだと言われている。十字軍の遠征は長期に渡った。その間、妻が他の男のペニスをヴァギナに挿入することを防ぐために作られたのが「貞操帯」だ。「貞操」を守る「帯」=「貞操帯」だ。そんなに浮気をされるのが嫌だったのか?そうだとしても「鉄の帯」を装着させるなんてアブノーマルだ。あるいは、妻を己の所有物程度にしか考えていなかったのか?
しかし、貞操帯に限らず、SMとか拷問とかスカトロとか・・・中世ヨーロッパが生み出したダークサイドには、なぜか心躍らされてしまう。現代人(?)はとかく「エロ」に論理を求めてしまう。「何故、俺はこの現象でペニスをエレクトさせたか?」をブログに書いている俺なんかその典型?でも、本当の欲望は論理から外れたところから湧き出てくるのではないか?
え?そんな変態チックなものをみみ嬢に装着しろと言ったのかって?
いやいや、太平洋戦争末期の日本では、アメリカ兵に手篭めにされないよう婦女子が真剣に「貞操帯」の装着を検討してたらしいよ。非論理的なグロの産物だけど、実用性もあるってことで・・・
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