「靖国神社」と「靖国刀」に関するドキュメンタリー映画。
靖国神社を訪れる奇奇怪怪な人々と、靖国刀の鍛冶職人の日常が淡々と映し出されていく。
中国人監督の靖国神社に関する映画に補助金を出すなんて!と声高に叫ぶ人がいたり、右翼の嫌がらせで公開中止に追い込まれたり、そんなことが記憶に新しい。かくいう俺もバリバリの反日映画なのではないかと、ちょっち期待してたんだけど(笑)
うーむ。
この映画に批判的だった人たちは、ホントにこの映画を観ていたのだろうか?
そう思ってしまうぐらい、ニュートラルな視点で作られた映画である。
ニュースでよく取り上げられる「排日」的な描写はない。
南京大虐殺に関しても、当時の新聞記事と写真を映し出すに留まり、その是非、そして虐殺の有無自体については一切語られていない。
しかし、ニュートラルであればあるほど、日本人が観ても「靖国」にまつわる奇異な人々、出来事が浮かび上がってくる。
靖国参拝に関する質問を受け、何を敬い、何を尊ぶかは個人の思想の自由と言い放つ小泉純一郎がテレビのモニタに映し出される。そりゃそうだ。その思想に基づく行為が、個人の中で完結してればね。
息子や父親が靖国に祀られていることを抗議する人々。日本人もいれば、当時、日本の植民地だった国の人もいる。遺された人々の了解もないまま祀られ、しかも、抗議を受けても靖国から分離することは出来ないと退ける。ここでは、遺族の思想の自由は黙殺されている。
「小泉総理を支持します」というプラカードを持って靖国に来たアメリカ人。しかし、彼は鬼畜米英の末裔という理由だけで、参拝に来ていた日本人から暴力を受け、退去させられる。ここでも、思想の自由は暴力に蹂躙されている。
部下数名を引き連れ、制服姿で参拝する現役自衛官。
かつての軍服を身に纏い、敬礼をする老人たち。
式典に乱入してきた中国人留学生を返り討ちにする日本人たち。
そーいえば、坂本龍馬も靖国に祀られてるて知ってた?もーびっくり。
ナレーションもテロップもほとんどなく、カメラの前の出来事が淡々と映し出されていく。
なぜ、日本人は自分たちを特別な存在であると思っているのか?
なぜ、日本人は天皇を現人神であると思っていたのか?あるいは今も?
なにか、そういうことを喉許に突きつけられた気分になった。
日本人として逃れられないパーソナリティ・・・と言ってしまえば簡単だ。
そして、何の疑問も持たないことは、結構楽なんだろうな。
そういえば俺が子供の頃、爺ちゃんが昭和天皇の肖像画をどこかで仕入れてきて、家に飾れと言ってきたことがあった。親父は・・・多分、面倒臭かったのだろう・・・何も言わずに居間に飾っていた。
一家の大黒柱であったにも関わらず、終戦間際に徴兵されたという爺ちゃん。残された婆ちゃんと親父の兄弟姉妹の生活がいかに大変だったかは、何度も何度も親父から聞かされた。
それでも、昭和天皇の肖像画を息子の家に飾れと言ってきた爺ちゃん。
劇中、靖国刀の鍛冶職人も、玉音放送のレコードを大切に保管していたっけ。
こんなにも、日本人のハートを鷲掴みにしてしまう「天皇」とは、いったい何なのか?
なーんつってね。
そんなことを考えなくても、普通に面白い映画ですよ。
我々の知らない日本=YASUKUNIを観て、驚いて下さい。
靖国 Yasukuni - Trailer
■DMMもっこり横丁で楽しくお買い物♪「靖国 YASUKUNI」監督 李纓
出演 刈谷直治 高金素梅 菅原龍憲
2008年日本=中国映画 カラー 153分
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テーマ : 日記
ジャンル : アダルト