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「ガープの世界」


支配人・竜巻野郎が愛して止まない映画だけを上映する、webの中のミニシアター「快楽座」へようこそ。
今週はジョン・アーヴィング原作、ジョージ・ロイ・ヒル監督の「ガープの世界」。

まずは映画を観る前に、必ず原作小説を読んで欲しい。
どんなに原作が面白くても、映画が面白いとは限らない。
むしろ、あんなに素晴らしかった原作を使って、よくこんな酷い映画を作れたものだと感心させられることの方が多い。
しかし、この作品に限っては、どちらも満足できること請け合いだ。

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「ガープの世界」
ジョン・アーヴィング 著 筒井正明 訳
新潮文庫
上下巻合わせて900ページの大作だ!

子供は欲しいけれど、妻となって男の肉欲の対象になるつもりはない。
第二次世界大戦中、看護婦のジェニー・フィールズ(グレン・クローズ)は重体のガープ三等軍曹(テクニカル・サージェント)とセックスし身籠もる。
ガープ三等軍曹はほどなくして帰らぬ人となり、ジェニーは生まれた息子に「T・S・ガープ」と名付ける。

成長し青年となったガープ(ロビン・ウィリアムズ)は、愛するヘレン(メアリー・ベス・ハート)のために作家となることを志す。
母と共にニューヨーク(原作ではウィーン)へ赴き、作家修行に励む。
そこでガープは会心の短編小説を書き上げ、ヘレンと結婚することに。
しかし、皮肉なことにジェニーが書いた自伝「性の容疑者」がベストセラーとなり、ジェニーは(そしてジェニーの私生児であるガープも)一躍時の人となる。

ガープという男の一生・・・正に生まれてから死ぬまでが、ホームドラマのようにコミカルかつ爽やかに、そして、時に強烈な皮肉を込めて描かれていく。

この物語のテーマは「世界は危険に満ち溢れている」ということ。

結婚後、ガープとヘレンはそれぞれに不倫関係を持つ。
本気ではなく、ちょっとした楽しみのために。
しかし、それぞれの不貞行為が、ガープ一家に計り知れない悲劇を引き寄せる。

ジェニーは著作「性の容疑者」によってフェミニズムの代表格と目されるようになっていた。
ニューハンプシャー州の知事選挙で女性候補の応援に立った彼女に、「男」の暴力が襲いかかる。

そして、家族の絆を取り戻したガープの元にも、暗い影が・・・

世界は危険に満ち溢れている。
このことは、映画が公開された当時より、現代の方が真に迫っている。
しかし、人生は冒険そのもの。
悲劇が怒濤のように押し寄せても、生きるということは素晴らしい。

こうした想いを丁寧に描き出すことによって、あたかも三流ソープオペラのような筋立てが、リアルさを持って観る者の胸を締め付ける。

快作!

「ガープの世界」
THE WORLD ACCORDING TO GARP
監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 ロビン・ウィリアムズ メアリー・ベス・ハート グレン・クローズ
1982年アメリカ映画 カラー 137分
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