快楽亭日乗R　僕らはみんな童貞だった : 福満しげゆきの妻２

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僕らはみんな童貞だった : 福満しげゆきの妻２

雨の中帰宅すると、DMMから「僕の小規模な失敗」と「生活」が届いていた。
先日、【福満しげゆきの妻】というログで紹介した、福満しげゆきのコミック。

因みにこのログで両作をアフィったのは、自分で購入するためだ。
北関東では、青林工藝舎のコミックは全く置かれてないんだよね。
はっはっはっは。

「僕の小規模な失敗」は、現在モーニングで連載中の「僕の小規模な生活」の前日譚。
何も考えず工業高校に進学したものの、まったく愉しみを見い出せず、留年したのをきっかけに退学。アルバイトをしながら友人とアパートを借り、マンガを描くが･･･何を描いたらいいか分からない！

マンガ家になるための猶予期間が欲しくて、再び定時制高校に入学。
年下だけど上級生のいる学校･･･中学時代の同級生たちはいわゆる「青春」を謳歌している･･･
コンプレックスに押し潰されそうになりながら推薦で大学に進学するが、恋人はおろか友人も出来ず、授業はいったい何を言っているのか分からない。

学歴もセックスも、皆と同じスタートラインに立てない主人公の拠り所はマンガ。
しかし、それもなかなか思うようにいかず･･･

後半は現在の「妻」との出会いが語られていく。
知り合いに紹介された金髪のカワイイ女の子。
キラキラと輝いていて、さらにムチムチと･･･むはぁ☆

友人たちを交えて遊ぶうちに、自分が女性とこんな形で出会えるのは一生のうちでも最後ではないかと考えた主人公は、猛烈なアピールを開始する。

毎日のように手紙を送り（返事はほとんどない）、携帯電話の料金は月12万円を超える･･･！
彼女の母親からはストーカー扱いされ、彼女からも回数を減らすよう窘める内容の手紙が･･･！

すったもんだの挙句、同棲から結婚に至るのだが、それでも主人公のやるせなさは解消しない。

妻を養うためにサラリーマンとなるものの、仕事が上手くいかなくてクビ。
新聞配達のバイトも辛くて逃げ出す始末。

そんな中、妻が髪を黒く染め、スーツを身に纏って仕事に出る！
そして、主人公はマンガに戻るのだが･･･将来が見えない･･･不安だ･･･

完　→　「僕の小規模な生活」に続く。

うーむ。
ヤヴァいね。

みんなと同じスタートラインにすら立てない劣等感。
漠然とした将来に対する不安。
そして、女の子と付き合う友人を批判しながら、女の子を性欲の対象としか見られない自分への嫌悪感。

それらに苛まれ、時には死にたくなるような夜もある。

主人公のアルバイト先に、中学の同級生が旦那と子供を連れて遊びに来る。
僕は･･･僕は･･･女の子と付き合ったこともないのに、この子は旦那と少なくともシックスナインはしているから子供が生まれたんだろっ！と腹を立てる主人公。いや、生挿入→中出しまでしてますから

これだけセックスに対するコンプレックスを抱いていた主人公。
でも、現・妻と同棲→結婚ってことは、少なくとも脱・童貞なはずなのに、「僕の小規模な失敗」「僕の小規模な生活」には、自身の（妻との）セックスに関する描写は全くない。

見ず知らずの女性を欲望の対象として描くことは出来ても、さすがに自分の妻との性生活は･･･ということか？

いや。
精神的にどん底だった時に、「マンガ」が彼の拠り所だったように、「童貞」もまた、彼のペニスを分厚く覆った皮なのだ。

結婚しても･･･妻に養われているという現実。
やがて連載が始まり、妻が仕事を辞めたいと言い出す。はたして自分は妻を養えるのか？このまま仕事は順調にこなせるのか？将来に対する不安。そして消えないコンプレックス

そうしたものをウリにしている以上、彼が「童貞」という皮を切開することはない。
ま、実生活ではバコバコやってると思うんだが。

「生活」の方は、エッセイ（ノンフィクション）風の「僕の小規模な失敗」「僕の小規模な生活」「うちの妻ってどうでしょう？」とは打って変って、ちょっと奇妙なバイオレンス・アクション（フィクション）。

こちらの紹介はまた別の機会に。