快楽亭日乗R　床を敷け！

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床を敷け！

快楽亭で何度も取り上げている山田芳裕の「へうげもの」。
いやー、このマンガはホントに面白いから、未読の方は今からでも是非に。

山田芳裕のマンガの魅力はデフォルメ。
通常は常識的なパースペクティヴで描かれているのだが、ページをめくると、ある一点が強調されたダイナミックな絵柄で読者の度肝を抜く！という仕掛けがテンコ盛り。

代表的なのは第1服第1席、信長を裏切った松永久秀が爆死するシーン。
久秀もろとも吹っ飛んだ名物「平グモの茶釜」の蓋をジャンビングキャッチしようとする主人公・古田左介（織部）。

名物を掴もうとする手を極端にデフォルメ。
物欲にまみれた主人公を端的に表現している。

さて。
この「ある一点をデフォルメする」のはビジュアルだけではない。
「へうげもの」の登場人物たちは、とにかく「ある一点をデフォルメ」したようなキャラクター設定になっている。

主人公・織部は出世を取るべきか数奇に没頭すべきか悩みつつ、その行動は「へうげる（ひょうきんである）」ことで首尾一貫している。そして、尋常ならざる物欲。名物を蒐集するためには、多少の悪事もオッケーでござるよ。げひひひひひひ。

そして、織部と対照的に描かれているのが徳川家康。
とにかく質実剛健。曲ったことが大嫌い。清く正しく美しくアーンド慎ましやかに。

武田征伐後、安土城の饗宴に招かれるが、豪華すぎる膳に腹を立て、織部（当時は左介）の考案した菓子・安土盛りに堪忍袋の緒をぶった斬る。また、真に民衆のために立ち上がった明智光秀のために、山崎へ援軍を送ろうとしたり･･･

極端なまでに真面目な家康。

政略結婚として、秀吉の妹・朝日を後妻に迎えた時も･･･
「我が家臣、領民に誉めてもらいたい」と心の中で叫びながら、秀吉クリソツのモンキーフェイス朝日とファック！ファック！ファーックッ！（別にしなくてもいいんじゃね？）

デフォルメされたキャラクターはもちろん笑えるんだけど。
山田芳裕は登場人物たちを極端に描くことにより、物語が志向するものを明らかにしているのではないだろうか？

豪華絢爛な安土桃山文化に対するアンチテーゼのようなわび数奇。
私欲を剥き出しにする信長＆秀吉v.s.民衆のための政治を志向する光秀＆家康。

それぞれがデフォルメされることにより、さらに鮮明となる。

さてさて。
今週発売されたモーニングに掲載された第80席「正・政・性」。
主人公・織部は後半にチョイ出てくるだけだが、山田芳裕ワールド全開のへうげた一編だ。

陳情にやってきた若い未亡人（農婦）の唇、そしておっぱい☆に欲情した家康は、彼女の願いを聞き入れると共に、大金時殿を膨らませながら言う。

「床を敷け」

かっくいー！
俺も言ってみてー！

そして、汗だくだくだくになりながら、正常位でファーーーーック！