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「殺しの烙印」

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支配人・竜巻野郎が愛して止まない映画だけを上映する、webの中のミニシアター「快楽座」へようこそ。
今週は鈴木清順監督の「殺しの烙印」をお送りする。

1967年に作られたモノクロ映画。主演は宍戸錠。内容はアクション+エロス。
日活が「にっかつ」としてロマンポルノを始める4年前、プログラムピクチュア=B級アクション(ちょいエロ付き)として製作された本作は、実は「キル・ビル」や「ワイルド・アット・ハート」もぶっとぶ快作だ!

宍戸錠演じる花田は、暗黒街でNo.3にランクされる殺し屋。
ある日、謎の女・美沙子(真理アンヌ)から依頼された「殺し」を失敗し、組織から命を狙われることになる。
死闘を制し、刺客を倒す花田。
しかし、組織はNo.1(南原宏治)に花田抹殺を依頼する。
殺し屋ランクNo.1の座を賭け、最後の戦いのゴングが鳴り響く・・・。

ストーリーはいたってシンプル。
そこに、一癖も二癖もある登場人物が配されている。
主人公・花田は炊飯器で炊いた「米」の匂いが何より好き。レストランの調理場に上がり込み、炊飯器を抱きしめながら恍惚の表情を見せる。
「殺し」に対してあまりにストイックで、目を開けたまま寝たり、ズボンの裾から器用に小便を垂れ流すN0.1。
死に際に、自分で顔に背広を被せてから絶命する殺し屋。
どうしようもない淫乱で、「あんたはセックスの時だけ親切な男なのよ!」と毒づく花田の妻。
「私の望みは死ぬことよ」とうそぶき、部屋の壁に蝶の標本を張り巡らせている美沙子。
シリアスなストーリーの中で、彼らの異常な性癖が「笑い」となる。

そして、日本映画離れしたカメラワークも必見だ。
アクションシーンは「ルパン三世」実写版と言ってもいいくらい軽快で格好いい!
また、花田と美沙子のシーンでは陰影の深いライティングで「セックスと死」を強烈に暗示。
その後の「ツィゴイネルワイゼン」や「陽炎座」のルーツを見ることができる。

2001年に鈴木清順監督が自らメガホンを取った続編的作品「ピストルオペラ」(江角マキコ主演)が今ひとつだったのは、ストーリーが難解だったからかも知れない。
殺し(死)、愛(セックス)、そしてNo.1の座をかけた戦い(野望)。
人間の根元的なテーマを描いたストーリーの中で、鈴木清順監督独特の外連(けれん)が際立っている。

まだ見たことがない奴は、熱い鉛をぶち込まれる前に見ちまいな。

「殺しの烙印」
BRANDED TO KILL
監督 鈴木清順
出演 宍戸錠 真理アンヌ 南原宏治
1967年日本映画 モノクロ 91分
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