支配人・竜巻野郎が愛して止まない映画だけを上映する、webの中のミニシアター「快楽座」へようこそ。
今月は【快楽座特別企画】ミッドサマーナイツスクリームと銘打ち、真夏の夜に相応しいホラー映画の特集上映を行っていく。
第参夜となる今週は、山田太一原作、市川森一脚色、そして大林宣彦監督という異色の組み合わせで作られた「異人たちとの夏」をお送りする。
シナリオライターの英雄(風間杜夫)は少年時代を過ごした浅草を訪れる。
そこで、少年の頃に事故で死んだはずの両親(片岡鶴太郎、秋吉久美子)と再会する。
二人はなぜか英雄の記憶に残るまま、若々しい姿で彼の前に現れた。
同じ頃、英雄は同じマンションに住む女性(名取裕子)と恋に落ち・・・。
異人とは死人・・・つまり幽霊のことだ。
少年の頃に喪失した両親との再会、束の間の交流、そして悲しい別れ。
さらに、怨念を消しきれず彷徨う女の魂に取り憑かれ・・・
ファンタジーとホラーの要素が表裏一体となった、不思議な味わいの作品だ。
英雄が浅草を歩き回るシーンの中に、吉原の廓を冷やかすシーンがある。
ボーイ「お客さん!どうですか?」
英雄「ああ、今ちょうど終わったところだから」
俺も吉原を徘徊している時に、しつこいボーイがいるとこの台詞を流用させてもらった。
そうすると不思議なもので、諦めてくれる。
しかし、上には上がいるもので。
ボーイ「お客さんならもう一人くらいイケるでしょ!さ、どうぞ!」
最近は都条例で呼び込みが禁止されているそうだから、こんなシーンもないんだろうな。
「異人たちとの夏」
監督 大林宣彦
出演 風間杜夫 片岡鶴太郎 秋吉久美子
1988年日本映画 カラー 108分
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