この世は苦界でありんす。
そう言って微笑む女郎が美しいのは、自らの運命を受け入れ、ここで生きていく覚悟を決めているからである。
割のいいお仕事だから・・・とか、セックスに興味があるから・・・ではなく、「ここで生きる」以外の余地はない。運命を受け入れるか入れないか、覚悟を決めるか決めないかの選択しか赦されない。
深い悲しみ故の美しさ。
安野モヨコのコミック「さくらん」は時代モノであり、郭を舞台にしていることもあって直接的なセックス描写も随所に出てくる。にも関わらず、登場人物達の容姿を現代風に描いたり、映画的なアングルを多用することによって、とてもお洒落なイメージを醸し出している。
だが、根本のテーマは運命を受け入れ、覚悟を決めた女の美しさ。
間夫に上手く遊ばれていたことに気付き、吉原を抜け出した女郎が見たものは鬼の笑顔。さんざん泣いた後、吉原に連れ戻された女は、客の前でにっこり笑ってみせる。
さて、映画「さくらん」をDVDで観賞した。
煌びやかな花魁の衣装、大胆な色遣いの郭のセット、そして、光と影を強調したビジュアル。想像していた以上に美しい「画」がそこにはあった。
洋風なルックス、ガラガラ声の土屋アンナが花魁かよー!とちょっぴり心配していたが、ここ一番の大見得を切るようなシーン以外は、囁くような話し方を通し、まあ、これもありかなと。
また、彼女をとりまく共演者達もなかなか見応えのある演技をみせてくれる。特に先輩花魁役の菅野美穂と間夫役の成宮寛貴 には、思わずゾッとしてしまった。
いやー。なかなか見応えある映画だね。
きよ葉(土屋アンナ)が間夫に裏切られ、郭(なか)も外も同じ苦界と覚悟を決める。そして、見世に請われて花魁となり、道中を披露するところまでは思わず正座してしまった。
ああ、なのに。
後半、原作にはないエピソードが描かれ、エンディングとなる。
女郎は苦界であったはずの吉原をやすやすと飛び越え・・・いったい、あの覚悟はなんだったのか?と思えるほどのハッピーエンドに向かって走り去っていく。
ハッピーが悪いとは言わないが。
美しくないねぇ。
結局、この監督が撮りたかったのはビジュアル的に美しい映画だったのか?と思わざるを得ない結末・・・残念。
因みに椎名林檎の音楽はあまりマッチしていない。
以前、「平成風俗」をエンドレスで聴きまくったせいか?
■DMMもっこり横丁で楽しくお買い物♪「さくらん」監督:蜷川実花
原作:安野モヨコ 音楽:椎名林檎
出演:土屋アンナ 安藤政信 菅野美穂
角川エンタテインメント2006/01/28 Release![DVDを購入する][単品レンタルする][月額レンタルする]■DMMもっこり横丁で楽しくお買い物♪安野モヨコ
「さくらん」講談社03/11/06 Release!
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「この世の限り」東芝EMI07/01/17 Release!
(1)この世の限り/(2)錯乱(ONKYO ver.)
(3)カリソメ乙女(HITOKUCHIZAKA ver.)
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「平成風俗」東芝EMI07/02/22 Release!
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