以前よくお世話になっていた、吉原の中にある飲食店のママさんがこんなことを言っていた。
ソープランドで働いている時はとにかくセックスが仕事だから、たいていのことは何とも思わないようになっていた。
でも、ソープランドの仕事を上がって、好きな男とセックスをする時に、ふつうのセックスってなんだろう?ということに、とても戸惑ってしまった。
ソープランドだったら客の服を脱がせてあげて、即尺即ベット(洗っていないペニスを直に口で愛撫し、そのままセックス)が当たり前。セックスの最中は(特に気持ちが良いわけではない時も)、適度に声を上げて・・・。
ふつうに好き合っている男女がセックスをする時に、女性がそんなことをしたら男性に引かれてしまう。でも、自分はそういうセックスしかしてこなかった。ふつうのセックスっていったいなんだろう?
服は男が脱がせてくれるものなの?
フェラチオなんて・・・まして即尺なんてしてはいけないものなの?
声は出していいの?
明かりをつけたまましてもいいの?
そんなことを考えていたら、ふつうにセックスすることが恥ずかしいやら怖いやら・・・。
残念ながら、実際にはどうだったの?という話はお聞きしていない。
しかし、ああ、そういうものなのかと妙に感じ入ったことを覚えている。
「恋人系」「仕事系」なんてフレームで風俗嬢を分類しているウェブサイトや雑誌がある。
恋人系・・・あたかも恋人であるかのようなソフトな接客をする嬢。
仕事系・・・風俗ならではの仕事(マット、椅子などのプレイ)が得意な嬢。
しかし、風俗においてはソフト=恋人系の女の子でも、実際の恋人とはできないようなプレイを楽しめているわけなんだよなぁ。
ママさんの話を思い出して、妙に感傷的な気分になっている俺も、ふつうのセックスができない人間なのかもしれない。
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